WORDSWORTH AND BASHO: WALKING POETS

ウィリアム・ワーズワースと松尾芭蕉という歴史的な詩人たち。二人の間には一事を除いて何の共通項もない。彼らの創造性をかきたてたもの、それは歩くという行為だった。このプロジェクトに招聘されて後、二人を結びつけるコアの要素を彼らの詩や暮らしの中に探し求めた。作品『Walking Poets』は、時空を超え、言語や文化の差異を超えた二人の対話の可能性を模索したものだ。

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展覧会図録より抜粋 

 

 ブエは、フィレンツェ・ルネサンスのディゼーニョ(現代イタリア語のドローイング、デザインの語源)という方法論に影響を受け、また現代脳科学の知見にも示唆を得て、十年以上にわたり、墨とアクリル絵の具を使った独自のハッチング技法を発展させてきた。それによって、人間の見るという行為の本質に迫り、西と東を結ぶ美術の可能性を模索しているのだ。

今回ソブエは、日本の伝統的な襖絵に見立て、アルミニウム板を用いて四連画を制作した。ワーズワスと芭蕉の肖像が、時間と空間、文化と言葉を超えて向かい合うように配されている。ソブエは観念的に二人を結びつける方法として紅葉を配したが、紅葉はしばしば芭蕉の句の主題となり、またワーズワスが愛した木でもある。事実、ワーズワスはイロハモミジをライダル・マウントの庭に植えていた。

 より忠実に芭蕉を描くために、ソブエはいくつもの芭蕉像を調べたが、どれも肖像として確実なものではなかった。しかし、調べるうちに、芭蕉の愛弟子であった許六が残した、芭蕉と曽良がおくのほそ道の旅に発つ姿を描いたものが、最も信頼性のある肖像であろうと考えるに至り、これを基礎に芭蕉像を完成させた。姿勢に関しては、江戸末期に活躍した浮世絵師の月岡芳年の作品を参照した。また、委託者の権勢を誇示するために金箔を用いた伝統的な日本美術の様式を踏襲して、背景に金色を施している。ソブエは、金箔の代わりに金色のアクリル絵具を使用することで、二人の詩人の慎ましく自然に即した生き方を表現した。

謝辞 

 ライダル・マウント前館長&キュレーターのピーター・エルキントンさんには特に謝意を表したい。ピーターさんは、作品が日本に郵送される前に特別に作品披露会を企画して、ボクの渡航費を用意してくださった。

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WALK
Kakimori Bunko Museum

イギリス湖水地方在住の日本人美術家 | JAPANESE ARTIST IN THE ENGLISH LAKE DISTRICT | UNITED KINGDOM

Hideyuki Sobue's Portfolio | Copyright © 2020 Hideyuki Sobue. All rights reserved.

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